先輩ゴルファーからのアドバイスで、

クラブを体の正面にキープしたままスイングしないとダメ。

的なことを言われたことは有りませんか?

 

多くの場合、手打ち気味のスイングを矯正する意図でこういうアドバイスをしてくれているのだと思いますが、言われた側としては、

  • クラブを正面に保つってどういう意味?
  • なんでそうしなくてはいけないの?
  • どうすれば出来るの?具体的なやり方は?
  • コツとかイメージとかも教えて欲しいんですけど。

って思いますよね。

 

ということで、今回は

スイング中は、クラブを正面に保つ

というテーマについて整理してみたいと思います。

ある前提をクリアしていれば、クラブを正面にキープするスイングがマスター出来ると、ミスショットが減って飛距離も伸びるはずですので、要チェックです。


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The photo above by Peter Brown adapted.(license)

「クラブを正面に保つ」とはどういうコト?

はじめに、「スイング中はクラブを正面に保つ」という言葉の意味をハッキリとさせておきたいと思います。

色々な説明の仕方があるはずですが、

体の横幅の範囲内にクラブ・手元をキープする

と言い換えることが出来ると思います。

体の横幅だとイメージが湧きにくいのであれば、「胸の前」ではどうでしょうか。

 

もしイメージが上手く出来なくても、実はそこまで問題ありません。だいたいでOKです。

というのは、スイングの中でクラブが体の正面からどうしても外れてしまうタイミングがあるからです。

スイング中ずっとキープするのは無理

実際に素振りをしてみると分かるのですが、

スイングの途中、トップ付近とフィニッシュ付近では、クラブは体の正面から外れてしまうはずです。

それは、スイングの際に前傾姿勢を取るからです。

ゴルフでは前傾姿勢を取ってスイングするため、横振りと縦振りが組み合わさったような振り方になります。

例えば野球ですと、前傾姿勢はあまり取りませんから、ほぼ横振りのスイングになっています。

横振りだと、クラブを体の正面に保ったままスイング出来ますが、縦振りの要素が入るとそれが出来なくなってしまうのです。

 

試しに、全く前傾姿勢を取らずに直立した状態でクラブを水平に構えて、クラブを体の正面にキープしたままスイングしてみてください。

何の問題も無く、キープしたままスイングできるはずです。

次に、前傾姿勢をしっかりと取って、同じように体の正面にクラブをキープしたままスイングしてみてください。

腰より上にクラブが上がってトップに近づいた段階で、かなり苦しくなると思います。

トップやフィニッシュまで体の正面にクラブをキープしようとすると、とってもヘンテコなスイングになってしまいます。

 

このように、トップやフィニッシュ付近では、クラブが体の正面から多少外れても全く問題ありません

むしろ外れるのが普通だと思います。

この点を知らずに「スイング中はずっとクラブは体の正面に…」という意識でスイング作りしてしまうと、結構な苦労をしてしまうので注意です。

「クラブは体の正面」がよく分かる動画

ティーチングプロの坂本龍楠さんの↓のレッスン動画をご覧になると、「クラブを体の正面に保つ」の意味がよく分かると思います。

動画の途中で、「直立した状態の横振りだとキープできるのに、前傾姿勢を取ると厳しくなる」様子も見られます。

クラブを体の正面にキープするメリット

次に、クラブを体の正面に保つスイングはどういうメリット・効用があるのか?をまとめておきます。

  • クラブ(手元)と体の一体感が出て安定感が出る。
  • 曲がりにくくなるし、芯を食いやすいので飛距離も出る。
  • 遠心力を最大限に活かせるので飛距離が出る。
  • 手打ちスイングの予防になる。
  • コンパクトなスイングになる(振りすぎ防止)。

といったメリットがあるため、クラブを体の正面に保ったボディーターンを意識したスイングがすすめられる事が多いのだと思います。

 

クラブを体の正面にキープしたコンパクトなスイングは、慣れないうちは「飛ばないんじゃないか・・」と不安に思うかもしれませんが、

徐々に慣れてきますと、真芯を食う確率が高まって、さらに遠心力をフル活用したスイングになるため、飛距離はむしろアップする可能性が高いです。

また、私たちアマチュアにありがちな「手打ちスイング」の弊害を防ぐためにも、体の正面にクラブをキープする意識はかなり有効です。

→ (参考) 手打ちはなぜ悪い?手打ちスイングの原因と直すための練習法

体の正面にクラブを保つためスイングのポイント

では、スイング中にクラブを体の正面にキープするための具体的な方法について見ていきましょう。

スイングの時系列に沿って順番にポイントをお話していきます。

アドレスはゆるゆるグリップ・両脇を軽く締める

まず、ギュッとグリップを強く握るのはNGです。

手打ちの原因になりますし、クラブを手先で操作したくなり、クラブが正面から外れやすくなってしまいます。

ゆるすぎる?と思うくらいユルユルに握ることをおすすめします(インパクトでは自然と力が入りますから、スッポ抜ける心配は不要です)。

 

また、両方の脇の下を軽く締めてアドレスします。

脇が締まりすぎても窮屈なスイングになってしまいますから、適度に(軽く)締めるイメージです。

10段階の強さでいえば、4~6くらいでしょうか。

この「両脇を締める」感覚は、スイング中ずっとキープするようにします。

もちろん、トップでは右脇は開きますし、フィニッシュでは左脇が開きます。ただ、トップやフィニッシュでも両脇を締める感覚は持っておきます(詳しくは後述します)。

 

さらに、両腕の肘をピンっと伸ばさず、ある程度のユトリを持たせておくのもポイントだと思います。

私の場合は、フォロースルーを除いて、両肘は少し曲がったままスイングしています。

イメージとしては、両肘の間にバレーボールを置いたまま、落ちないようにスイングしている感じです(実際にボールを置いたらたぶん落ちます。あくまでもイメージ)。

この意識でスイングすると、腕に余計な力が入らず、手元を動かそうと思わなくなるからです。

テイクバックで手先を先行させない

テイクバックのはじめの方は、クラブが体の正面から外れやすいタイミングです。

テイクバックの始まりでは、手元は積極的に動かしてはいけません

例えば、

  • クラブヘッドをヒョイっと上げてしまう。
  • アウトサイドやインサイドに引いてしまう。
  • フォワード・プレスで手を動かし過ぎている。
  • フェースを開き始めるのが早すぎる。

という場合、テイクバックの最初の方ですでにクラブが体の正面から外れてしまっているケースが多いはずです。

 

テイクバックの始動は、

低く・長く・真っ直ぐに

というイメージでクラブを引くようにします。

このとき、手元や腕でクラブを引くのではなく、上半身全体を使いながらクラブを引くイメージを持ちます。

腕や手は出来るだけ脱力させた状態で、肩周りや背筋の筋肉の動きを意識しながらクラブを引けば、自然とクラブが体の正面から外れないテイクバックの始動になってくれるはずです。

また、「重い物をクラブヘッドで後ろに押し出すようなイメージ」というのも、理想的なテイクバックの説明としてよく言われますが、このイメージでもOKだと思います(私は無理でしたが・・・)。

腰の高さまではきっちり正面をキープ

テイクバックを始動させたあと、腰の高さにクラブが来るタイミングまでは、クラブ全体が体の正面に収まるように注意します。

そのためには、アドレスで意識した「ゆるゆるグリップ」「両脇の適度な締まり」「両肘のアソビ」を引き続きキープすることが大切です。

また、腕や手元ではなく背筋・肩周りの筋肉の動きに意識を向けると、クラブが外れにくくなります(テイクバック始動時と同様)。

いずれにしても、どんなイメージ・意識でもよいので、腰の高さくらいまではクラブを完全に体の正面にキープ出来るようにします

トップでは正面から若干外れるが・・・

クラブが腰の高さまで上がったタイミングくらいから、右肘を曲げたくなるはずです。
(曲げないと極端にアウトサイドに上げることになります)

イメージとしては、クラブを体の正面に保つのが「苦しく」なってきたら、右肘を曲げていきます。

右肘を曲げると、右脇が少しずつ開いていきますが、全く問題ありません。

ただ、意識としては「両脇を適度に締め続ける」という感覚を持ったままです

 

そして、右肘を曲げたら、結構すぐに(※1)トップが完成します。

トップでは、クラブは体の正面から少しだけ外れるのが普通です。

ただ、その外れ幅を出来るだけ小さくする意識を持つことが大切になります。

トップで手元を上げすぎたり、インサイドに引っ張り込み過ぎたりするのはNGです。

コンパクトなトップを心掛けます。

 

※1 「結構すぐに」ってどれくらい?

→ 文字通り、腰までクラブが上がったら「すぐに(ほんの少し後に)」トップが出来上がるのが理想的です。なぜかというと・・・

手先ではなく、上半身の大きな筋肉(肩周り・背筋)を意識しながら腰までテイクバックすると、その段階ですでに肩は結構回っている(捻転している)はずです。

個人差はありますが、「もう少し回れば飛球線に対して90度になる」というくらいは肩が入っているのではないでしょうか。

左肩が右膝の上まで来て、両肩のラインが飛球線に対して90度くらいまでくれば、体は十分に捻転しています。

つまり、そこがトップオブスイングでよいということです。

ってことは、クラブが腰の高さまで上がったら、トップまでは「ほんのもう少し  」なのです。

手元を必要以上に高く上げたり、肩が十分に回って右足に体重が載っているのにそれ以上に捻転しようとすると、トップでクラブが正面から外れる度合が大きくなってしまいます。

「肩が十分に回ったらソコがトップ」くらいの感覚を持つと、コンパクトなトップになってスイングに安定感・一体感が出てくるはずです。

切り返しは下半身から始動する

トップからの切り返しは、手元や腕ではなく下半身から始動します。

下半身から始動するためには、切り返しで「最初に」意識する体の部位を下半身のどこかにすればOKです。

例えば私の場合は、右膝を内側に送り込む動作をダウンスイングのキッカケにしています。

切り返しで手元や腕から動かしてしまうと手打ちスイングになりますし、ダウンスイングでクラブが体の正面から外れやすくなってしまいます。

ダウンスイングのキッカケは下半身のどこかの動作で作るのがおすすめです。

腰から腰まではクラブを正面にキープする意識を強く持つ

さて、コンパクトなトップから切り返すと、すぐにクラブが腰の高さまで下りてきます。

手や腕を意識しなくても、また、「クラブを自然落下させる」などと難しいことを考えなくても、腕から先の力を抜いておけばクラブは自然と下りてくるはずです。

 

テイクバックのことを思い出しますと、腰の高さまでは意識的にクラブを体の正面にキープすることが出来ました。

ということは、ダウンスイングでも腰の高さまでクラブがおりてくれば、そこから先は「クラブは体の正面」を意識することが出来ます。

なので、ダウンスイングでも、腰から腰まではクラブが体の正面にキープする意識を強く持ちます

ポイントはアドレスのときと同様、両脇の締まり感と肘のゆとりをキープすること、それから腕から先の末端部分の力感を抜いておくことです。

 

ただ、テイクバックと違ってダウンスイングはとても素早い動きです。

テイクバックではゆっくりと動かしますから、クラブが正面にあることを確認できますが、ダウンスイングでは確認できません。

なので、あくまでも意識・イメージとして「クラブは体の正面にキープ」を心掛けます。

フォロースルーは低く・遠く。右肘は伸びていく。

フォロースルーでも、クラブは体の正面、手元・腕の力感は変わらず脱力状態をキープします。

ポイントは、すぐにフィニッシュを取りたいのを我慢して、クラブヘッドを「低く・遠く」飛球線上に出していくイメージを持つことです。

 

クラブと体の一体感を意識すると、フォロースルーにかけて

左向け左!

って感じですぐに上半身が開いてしまうことがあります。こうなると、スライスやこすり球の原因となってしまいます。

 

フォロースルーでヘッドを「低く遠く」に出していくイメージを持つと、クラブはなかなか上がってきません。

そのクラブを体の正面に保つ意識を持てば、上半身も開きにくくなりますし、前傾姿勢もキープされやすくなるはずです。

  • ヘッドが上がってからフィニッシュを取る。
  • ヘッドが回りきるのにつられて上半身が起き上がる。

というイメージのフォロースルー(からフィニッシュ)を心掛けると、クラブは体の正面に保たれ、上半身の開きも抑えることが出来ると思います。

 

フォロースルーでもう1つ重要な点が、右肘の動きです。

私の場合、クラブを正面に保つために両肘のゆとり(アソビ)を意識していますが、フォロースルーにかけては右肘は伸ばしていきます。

そうしないと、しっかりと捕まった球筋にならないからです。

ただ、低く・遠くにヘッドを出していくフォロースルーを意識すると、自然と右肘は伸びていきますから、人によってはこの意識は不要なケースもあるかもしれません。

 

最後に、フォロースルーからフィニッシュにかけての左脇についてですが、

テイクバック→トップとは違って、「左肘を曲げて左脇があいていく」という意識をあえて持つ必要はないと思います。

放っておいても自然とその形になるからです。

 

以上、クラブを体の正面に保つスイングについて、アドレスからフィニッシュまで時系列でポイントをお話してきました。

ポイントが多すぎる!と感じられる場合には、

  • スイング中に腕・手元の力感を抜くこと
  • 両脇の締まり感をキープすること
  • コンパクトなトップに収めること

優先して意識すると良いと思います。

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クラブを体の正面に保つスイングを体得する練習法

次に、練習場で具体的にどのような練習をすれば、クラブを体の正面にキープしたスイングが身に付けられるのか?についてです。

私がおすすめするのは、

  • ショートウッドのハーフショット
  • ドライバーのフルショット

の2つです。

腰から腰までのスイングで「クラブは体の正面」の感覚を体得

上で、腰の高さくらいまでは、クラブを完全に体の正面に収めることが出来ると書きました。

実際、腰から腰までのハーフショットであれば、クラブを体の正面にキープしたままのスイングでボールを打つことが出来ます。

そこでオススメなのが、7番ウッドなどのショートウッドのハーフショットの反復練習です。

 

具体的には、

  • ティーアップする(低めに)。
  • クラブは短めに持つ。
  • コックはあまり入れない。
  • 腰から腰までの振り幅で100Y~150Y程度の飛距離を出す。

というドリルを行います。

アイアンを使わないのは、アイアンの方が難しいからです。

ある程度満足出来る球が出ないと、そのドリルは途端に苦痛になってしまいます。

その点、ショートウッドをティーアップして打つと、ある程度の球は出てくれます。

 

このドリルで、「クラブを体の正面にキープする」感覚を身につけます。

上でお話したスイングのポイントをいくつか意識しながら練習することをオススメします。

ドライバーで曲がり幅の小さい低めの球を打つ

ハーフショットだけだとつまらないですから、ドライバーショットのフルショットも練習します(ただし、マン振りはしません)。

上記のスイングのポイントを意識しながら、どんな球筋が出るのか?確認してみて下さい。無理に飛ばそうとしたり、高い球を打とうとする必要はありません。

クラブが体の正面にキープできたスイングだと、ミスヒットが減り、インパクトで芯を食う頻度が高くなるはずです。

ドライバーショットの結果について、球の高さや飛距離に注目するのではなく、

  • フェースのどのあたりに当たったか?
  • 曲がり幅はどれくらいだったか?

という点を観察してみてください。

芯でインパクトする回数や曲がり幅が減ってきたら、「クラブは体の正面」のスイングになってきている証拠です

 

もちろん、アイアンでも同じような練習はできますので、調子のよいときに練習してみてください。

ただ、ドリルとして行うならショートウッドが挫折しづらいのでおすすめです。

「クラブは体の正面にキープ」の弊害・デメリット

ここまで、クラブを体の正面に保つことのメリットとその練習法について見てきましたが、実は良いことばかりではありません。

それは、飛距離の出ないスライスに悩んでいる場合です。

こすり球のスライスが頻発する場合、インパクトでのフェースローテーションが上手くできていない可能性が高いですが、

その段階で「クラブは体の正面にキープ」や「ボディーターンでスイングする」というようなスイングイメージを持つと、さらにスライスが悪化するリスクがあります。

 

クラブと体を一体化させるイメージは、フェースの空け閉じをするための手元・腕の動作を自然と出来るようになってから意識した方がよいです。

スライスのミスが多い場合には、この「手先を使ったボールのさばき方」とその習得方法について確認してみてください。

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まとめ

「クラブは常に体の正面」というアドバイスは、曲がるミスショットを減らすためのモノだと思います。

でも、このスイングが出来るようになって個人的に驚いたのは、曲がり幅(正確性)の改善ではなく飛距離アップです。

おそらく、遠心力をマックスに活用したインパクトになるために飛距離が大幅に伸びるのだと思います。

修得するにはちょっと努力が必要な部類ですが、チャレンジする価値は十二分にあると思います。